学校に通う意味って何だろう?

楽園の学校

通信制高校に進む生徒が増えている!

ネットの更新記事を眺めていたら、かつて通信制高校へ入学する生徒は不登校などの学校不適応による者が多かったが、現在は、敢えて、自ら進んで、しかも戦略的に通信制高校を選択し、大学入学や海外留学などの自身の将来の夢に積極的に立ち向かう生徒が多くなっている、という記事を読み、ふと過った思いを書き留めることにしました。

通信制という選択肢

通信制高校は、定時制高校とともに、かつては職業を持ちながら勉学を続ける者たちの貴重な学びの場であったと思います。そして、時代の移り変わりのなかで、一般の高校に違和感を感じ、不適応を感じている者たちでも学びを続けることのできる場としても機能し始めたのだと思います。わたしの知人に、全日制で入学したが、行きづらさを感じ、同じ高校の通信制に編入して卒業した子を持つ人がいますが、そうなった場合も、きちんと3年間で卒業できるシステムが今はあるのだと知って驚いたことを憶えています。

戦略的に通信制高校を選択するということ

通信制だろうが、定時制だろうが、高校なのですから、卒業認定されれば大学入学の資格となります。ICTの進歩により、良質なコンテンツがオンデマンドで提供されることで高卒資格を効率的に取得し、生み出された膨大な時間を自身の特技を研いたり、入試に特化した学習に邁進することができるとあって、通信制、特に私立の通信制希望者は激増しているといわれています。なるほど、「ムダがない!」という感じですよ。いやいや、単に大学進学が目的なら、「大検」という選択肢が昔からあったはずだ、みたいな声が聞こえてきそうですが、それはもう古い考え方で、私立の通信制では、VRなどICTによる進歩的で効率的な学習システムが提供されるだけでなく、夢を叶える専門的な学習を進めるシステム、そしてプレゼンテーションの技術を徹底的に磨く指導など普通の高校では到底カバーしきれない高度で専門的な指導が提供されるというのです。そんなことを知ってしまうと、ホント魅力的ですよね。「いじめ」なんて関係ない世界で、一切の無駄を省いて、自分の夢に向かって邁進できるのですから。それを「戦略的に」選択する生徒が増えているのも十分に納得できるところです。

学校の魅力って何だろう?

現代の通信制高校の魅力は十分に理解できます。それを主体的に選択する生徒が増えていることもわかります。でも、ふと気になることがあるのです。それでいいのかな、という思いです。もちろんそれは、通信制では、部活動に強い思いで打ち込む経験やその中で育む友情などが欠落してしまうのでは?というようなことではありません。通信制高校でも、自身の夢に向かって本気で学んでいる生徒は多いと思います。アメリカの有名大学に入学許可されるような、コミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルを身につけていくまでには、膨大な努力や強い思いが必要でしょうし、また、本人が望めば夢を同じくする全国の友人たちとの交流だって十分に可能でしょう。一般の高校とは違うかも知れませんが、愛校心のようなものが感じられることもあるでしょう。でも、わたしは心理学を学び、心理支援を生業としている人間として、それだけでは、とはやり感じているのですよ。

リアルに通う生徒だけが共有する空気

甲子園の高校野球中継では、熱闘する球児たちを熱く見守る応援団の生徒たちがよく映し出されます。九回の裏、あと一人のところでは、攻める側も守る側も祈るように両手を合わせ、目に涙を浮かべながらグラウンドを見つめる生徒にカメラはフォーカスします。選手も応援団も本当に見応えのあるシーンです。当事者にとって勝敗は重大事だろうと思いますが、あの光景を見ると、勝敗を超えて、その一瞬一瞬の思いこそは、学校に通う者だけが共有する「体感」であって、言葉などでは当然説明できず、どんなに努力をしても、どれほどお金を積み上げても、共有できるのはその学校の空気を知る生徒だけだとわかります。そして、そんな空気を体感した経験を持つ者は、自らを支える支柱を一つ手に入れたも同然で、鋼の強さを身につけられると思うのです。言葉を超えた熱い生命の輝きは感じてみろといわれても決してできるものではないでしょう。もちろん通信高校を経由して夢を叶えた人たちが、皆さん揃って脆くなってしまうわけではないと思います。また、学校以外でも空気を体感するチャンスはいくらでもあります。今後はますます通信制という選択をする若者は増えていくと思われます。そんな彼らが力強く社会で活躍していくことを願っています。

『いつも心に太陽を!』

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