『先生は一流大学を出ているんですか?』

楽園の公認心理師

三者面談を終えた彼は母親と一緒に相談室に来てくれて、そう切り出した。

難関大学に合格しても一流企業に入れるとは限らない、一流企業に入れても幸せになれるとは限らない、大事なことは、本当にやりたいことを見つけ、そのために必要なことを今学ぶのだ、そんなのが今の「キャリア教育」みたいだね。もちろん間違ったことを言っているわけじゃない。特に現代は、民族紛争や環境問題など、知識や情報をいくら積み重ねても解決策を導き出せない、所謂「正解のない時代」だから、受験で試される知識や情報の量ではなく、思考力、判断力、表現力に加え、コミュニケーション能力が大事なのだ、みたいな考えが一般的になっていて、学力が高いことをなんだか引け目に感じるような可笑しなことになっているのは確かだね。また、一流企業に勤める若いビジネスエリートが激務で自殺なんていうニュースが流れると、とても儚い気持ちになるよね。
でも、だからと言って、難関大学に入るための努力や大きな企業で頑張っている努力を軽んじるようなことがあってはならないと思うよ。知識や技能を基本に受験勉強でしっかりと学力を身につけ、希望する大学でさらに深く学びながら「実力」を身につけること、難関大学も一流企業もその「実力」を身につけるステージであり、それ以上でも以下でもないのだから、その意味で「一流」に拘るのならば、大いに結構なんじゃないなかな。誰もが口にしないけど、学歴社会の終焉は「実力」社会の誕生だよ。覚悟はできているかい?学歴社会みたいに「お気楽」には過ごせないと思うな。

『いつも心に太陽を!』

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